特殊教育学研究
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原著
  • 石﨑 美佐子, 半田 健
    原稿種別: 原著
    2023 年 61 巻 2 号 p. 55-66
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/02/29
    [早期公開] 公開日: 2023/08/18
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    知的障害特別支援学級に在籍する児童4名を対象に、部首をもとに漢字を2分割する系列刺激ペアリング手続き(以下、SSP手続き通常条件)と、児童の既知情報をもとに漢字を分割する系列刺激ペアリング手続き(以下、SSP手続き既知条件)を実施した。本研究では、2つの手続きの結果を比較し、系列刺激ペアリング手続きに関して既知情報を活用することが、知的障害のある児童の漢字書字の獲得に促進的な効果を及ぼすか否かについて検証した。研究デザインは、課題間多層プローブデザインを用いた。指導の結果、児童が漢字書字を獲得するまでに要したブロック数は、SSP手続き既知条件のほうがSSP手続き通常条件と比べて少なかった。これはすべての対象児に共通していた。このことから、系列刺激ペアリング手続きに関して既知情報を活用することが知的障害のある児童の漢字書字の獲得に促進的な効果を及ぼすことが示唆された。

資料
実践研究
  • 内田 朋恵, 岡村 章司
    原稿種別: 実践研究
    2023 年 61 巻 2 号 p. 77-90
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/02/29
    ジャーナル フリー HTML

    本研究では、行動面での困難を示す児童の保護者と担任教師を対象に、三項随伴性にもとづく行動記録を通した支援方法発見プログラムを実施した。プログラムでは、児童の実態に合う標的行動を決定し、家庭と学校での児童の行動を正確に記述することを促し、記録をもとに支援方法を検討するペアワークを行った。その結果、行動記録の正確さが向上し、保護者と教師が自身の適切な支援方法を確認したり、互いの支援方法を取り入れたりした。家庭と学校における標的行動の改善、保護者と教師の関係尺度に肯定的な変化がみられ、プログ ラムの一定の効果が示された。一方で、一部の参加者においては、行動記録の正確さが低下し、児童の行動改善への効果が小さく、保護者と教師の関係性にも変化がみられなかった。結果にもとづき、本プログラムが保護者と教師の児童への関わりおよび児童の行動変容に与える効果と、保護者と教師の肯定的な関係を促進する要因について考察した。

研究時評
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