特殊教育学研究
Online ISSN : 2186-5132
Print ISSN : 0387-3374
ISSN-L : 0387-3374
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
資料
  • 五島 脩, 泉 真由子
    原稿種別: 資料
    2025 年63 巻2 号 p. 61-71
    発行日: 2025/08/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    本研究では、病弱教育に携わる教員の指導・支援行動や意識の様相について、属性要因(年齢、学部、教職経験年数、病弱教育に関わっている年数、主として指導している子どもの病類)、研修内容と受講経験の有無、情報通信技術(ICT)活用の得手・不得手との関連を定量的に検討した。特別支援学校(病弱)に在籍する教員679名を対象に質問紙調査を実施した。因子分析の結果、指導・支援行動については2因子構造(「心理的支援」「病弱児特有のニーズへの対応」)を示し、意識については1因子構造(「対応への葛藤」)を示した。抽出された因子と属性要因などとの関連について、一要因分散分析の結果、学部や主として指導している子どもの病類が影響を及ぼしていることが明らかとなった。また、ICT活用を得意とする教員は指導・支援上の困難さを抱えにくい可能性や、病弱教育に関する基礎的な知識を身につけられる内容および個別具体の事例を研修内容とすることが効果的であることが示唆された。

実践研究
  • 長曽我部 博
    原稿種別: 実践研究
    2025 年63 巻2 号 p. 73-84
    発行日: 2025/08/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    重度・重複障害のある男児Aが3年間で6回の居住地校交流を行った。本研究の目的は、居住地校交流が受け入れ側の小学生の態度変容に及ぼす効果を明らかにすることである。調査は、障害児に対する理解と交流活動に対する意識について、質問紙法で行った。交流前は、85%の児童が「A児のことについてよく知らない」状態であった。3年間の交流活動を通して、児童からは、自分たちと変わらないと感じたことや一緒にいると元気をもらうことなど、A児に対する印象の変容が挙げられた。さらに、「おしゃべりはしなくても何だか通じる」という児童が25%から80%に増加した。A児と交流することに95%の児童が肯定的であった。3年間の居住地校交流を経験した児童は、障害のある人と関わることへの抵抗感が軽減し、障害のある人には受容的な態度で関わること、他者を理解したうえで行動すること、障害観の転換などが図られることが明らかとなった。

  • 植田 佐知子, 内海 友加利, 安藤 隆男
    原稿種別: 実践研究
    2025 年63 巻2 号 p. 85-96
    発行日: 2025/08/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    本研究は、特別支援学校においてファシリテーターを導入した個別の指導計画作成に関わる校内研修を実施し、参加教師の意識を探索するとともに、ファシリテーター役を担う教師が校内研修をどのように捉えたかを検討することを目的とした。校内研修の内容は、教師グループを編成して複数教師による個別の指導計画の作成を行い、進行およびサポート役としてファシリテーターを配置した。参加教師の研修プログラムに対する意識構造として、「総体的な実態把握」「協働による学び」「共通理解できる情報」の3因子が抽出された。ファシリテーター自身の語りからは、研修プログラムの成果として、複数教師による協働は多角的な実態把握を可能としたこと、ファシリテーターが機能することで協働的な手続きの工夫がなされ、教師集団の自己教育力が向上したことが示唆された。また、ファシリテーターの導入により、時間の縮減が期待できると考えられた。

  • 藤原 直子, 免田 賢, 石井 主税
    原稿種別: 実践研究
    2025 年63 巻2 号 p. 97-106
    発行日: 2025/08/31
    公開日: 2026/02/28
    ジャーナル フリー

    本研究では、非行少年の矯正施設である少年鑑別所および少年院の職員に対して研修を実施し、参加した職員への質問紙および研修後アンケートから効果を評価した。研修は、応用行動分析を用いて行動の意味を理解し肯定的な関わりをすることに焦点をあてた内容であった。研修の前後に質問紙を実施し、記入に不備のなかった181名(少年院勤務70名、少年鑑別所111名)が本研究の対象となった。分析の結果、教育効力感の上昇、負担感の「やりがいのなさ」の減少、行動原理に関する知識の向上が示された。また、研修後アンケートにおいて、研修に対する満足度は高く、学んだ内容を少年への対応に活用したことが報告された。応用行動分析の考え方や手法は非行少年への対応に活用できることが示唆された。

feedback
Top