本稿の目的は,「生活者」が日常的に接する「商品」とそれを包含する「社会」の観点から,平成期30年間の日本社会を鳥瞰的に振り返り,平成期日本の特徴と課題を整理して令和期日本を展望することである。本稿1では,本稿のキーワードである「商品」と「生活者」の意味および商品の四条件と二面性について,平成期日本の特徴に触れながら整理する。本稿2では,本稿1での考察を踏まえ商品・小売業態・消費志向の三つの観点から平成期の日本社会の特徴を明らかにする。本稿3では,統計データ(数値)を活用し,マクロ的観点から平成期日本の特徴を確認する。本稿4では,ここまでの考察を踏まえ令和期の日本社会を六つの観点から展望する。