2022 年 103 巻 p. 1-12
本研究は,表面筋電図(EMG)を用い,分枝アミノ酸(BCAA)摂取の有無が持続的運動負荷中の筋疲労に及ぼす影響を検証した。健常成人10名に対し,BCAA摂取時と非摂取時の2回,50%MVC等尺性膝伸展運動を120秒間行ったときの,測定開始時から95秒後までにおける大腿直筋(RF)・外側広筋(VL)・内側広筋(VM)の積分筋電図(iEMG),平均周波数(MPF)をそれぞれ解析・算出した。結果,iEMGでは,2群間の運動負荷中の各筋活動は有意差を認めなかった。測定開始時〜5秒のMPFでは,RF,VLと比較しVMは有意に低値であり,BCAA摂取の有無による比較では,RFは測定開始時〜5秒,VLは測定開始時から65秒後までで有意差を認めた。VMはすべてにおいて有意差を認めなかった。本結果より,TypeⅡ線維割合が多い筋の場合,BCAAの摂取は測定開始時の筋疲労抑制効果があることが明らかになった。