2023 年 106 巻 p. 9-15
本研究は,看護学生のレジリエンスに関する先行文献を検討し,看護学生のレジリエンスを構成する要素とそれに影響する要因を明らかにすることを目的とする。医学中央雑誌Web版を用い,看護学生のレジリエンスの構成要素,影響要因に関する15文献を分析した。看護学生のレジリエンスの構成要素は,【支援を受ける力】,【主体的に問題解決できる力】,【思考を変換できる力】,【目標を見いだせる力】,【学ぶ意欲を持つ力】の5つが生成され,主体的に問題解決でき,学ぶ意欲を持つような精神的な強さと,思考を変換したり,支援を受けたり,目標を見いだせるような柔軟さを併せ持つ力であると解釈できた。影響要因のうち促進要因は,【自尊心】,【自己効力感】,【精神的サポート】など9つがあり,抑制要因は,【抑うつ症状】,【気分の変化】などの5つであった。【臨地実習の経験】は学生の捉え方で促進要因あるいは抑制要因のどちらにもなり得る流動性があった。