2017 年 94 巻 p. 1-14
目的:看護学生の実習方略の特徴及び実習動機と自己受容との関連から自己教育力を育むための教育的示唆を得る。 方法:九州・沖縄圏内の看護師養成所3年課程の3年生を対象に郵送法による質問紙調査を行い,分析した。 結果:臨地実習方略はリソース管理方略がメタ認知的方略より高く有意な相関がみられ,実習動機は内容関与的動機が内容分離的動機より有意に高く,自己受容は社会的自己と役割自己が高かった。実習動機と自己受容は,実習方略と有意な関係にあり,プラスの影響となっていた。 考察:看護学生は臨地実習でリソース管理方略を使用し,メタ認知的方略はうまく利用していない。リソース管理方略とメタ認知的方略は有意な相関があり,どちらかを高めることで実習方略が高められ自己教育力育成につながる。 看護学生の自己教育力を育むには,実習方略を有効活用できるような教育的支援が有効であることが示唆された。