徳島文理大学研究紀要
Online ISSN : 2432-4248
Print ISSN : 0286-9829
研究報告
大学生における自閉症スペクトラム(AS)について
―支援ニーズ及びエンプロイアビリティの観点から―
黒澤 良輔
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2017 年 94 巻 p. 113-122

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抄録

アメリカ精神医学会による「精神疾患の分類と診断の手引き(DSM-5)」によっていくつかの診断基準が変更され「広汎性発達障害」は「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害」となった。 本研究は大学生における自閉症スペクトラム(Autism Spectrum:以下ASという)大学生活における支援ニーズ及びエンプロイアビリティ(雇用されうる能力)の関係について分析しようとするものである。 約200名の大学生に対してAS質問紙支援ニーズ質問紙エンプロイアビリティ質問紙を実施し得られたデータを因子分析及びクラスタ分析によって分析した。 その結果(1)AS特性の高い者は大学生活において困難を感じやすい(2)AS特性の高い者はエンプロイアビリティが低い(3)AS尺度得点及びエンプロイアビリティ尺度得点の組み合わせによって学生を5グループに分けることができAS特性が高くエンプロイアビリティが低い者は全体の約8%であることが認められた。

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© 2017 著者
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