抄録
疾病管理手法に基づき2型糖尿病の自己管理を促進するため, 患者特性に応じたアセスメント・アルゴリズムの開発を目的に, 文献で得られた影響因子を参考に, 2型糖尿病425名に質問紙による調査を行った.
自己管理の評価指標をHbA1c値に設定しパス解析を行った結果, インスリン使用の有無にかかわらずHbA1c値が8.0以上の不可群において妥当なパス図を作成することができた. パス図は, 「自己効力感」が「食事・運動が守れる」という行動を介してHbA1c値に影響し, 「家人の協力」は「療養の重要性の認識」を介してHbA1c値に影響した. 「Locus of control」のみHbA1c値に直接影響した.
この結果より, Locus of controlの所在, 自己効力感の高さおよび療養の重要性認識と行動変容の段階を考慮した介入・教育プログラムの提供を実践するアセスメント・アルゴリズムを考案した.