糖尿病
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原著
診断・治療(食事・運動・薬物)
  • 朝長 修, 森 美幸, 牛久保 江理子, 上松 祐子, 鈴木 さやか, 金澤 葉子, 宮下 越子, 野尻 梨絵, 朝長 弘平, 沼田 祐美, ...
    2021 年 64 巻 6 号 p. 341-349
    発行日: 2021/06/30
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    2型糖尿病の治療において,スマートフォンアプリ「Welbyマイカルテ」(マイカルテ)の健康情報記録(PHR)を活用して,HbA1cと体重の低下効果を検討した.2型糖尿病患者のうち3ヵ月以上マイカルテを利用した74例(男性65例,女性9例)を対象とし,マイカルテ利用開始から6ヵ月間のHbA1c,体重および血圧をベースライン値と比較した.さらにマイカルテ利用頻度別(15回/月以上または未満)に層別化して効果を比較検討した.74例のうち20例は観察期間中に治療方法が変更された.全例においてHbA1cは7.1 %から6.9 %へと有意に改善した.高利用群では7.1 %から6.7 %へと高い改善率を示したが,低利用群では有意な変化は認められなかった.体重と血圧で低下傾向がみられた.PHRの活用により生活習慣改善に対するコンプライアンスが向上し,HbA1cが改善することが示唆された.

  • 郡山 暢之, 鎌田 哲郎, 出口 尚寿, 西尾 善彦
    2021 年 64 巻 6 号 p. 350-359
    発行日: 2021/06/30
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    糖尿病治療は,本来プライマリー医療に属するものであり,治療標準化は,非専門地域実地医家(GP)の診療水準向上や糖尿病専門医(DT)との連携を行う上で極めて重要である.鹿児島県糖尿病対策推進会議では,県内4ヵ所の2次医療圏において,GPとスタッフ向けに連続5回のDTによる技術移転講習会を実施し,アウトカムをその地区のHbA1cの変化とアンケート結果から検証した.方法上の問題から,HbA1cの改善を講習会の効果とすることは出来なかった.一方,アンケート結果では,“糖尿病診療に対する関心が高まった”との回答と共に,“薬物療法が変化した”との回答が多く,講習会の中で提示した経口薬使用フローチャート(「SDMカスタマイズド鹿児島」)の意義が考えられた.このフローチャートは,その後鹿児島県の糖尿病診療上の問題点に対応すべく改訂を繰り返し,現在,鹿児島市の病診連携においても広く用いられている.

症例報告
  • 野崎 勲, 中島 章人
    2021 年 64 巻 6 号 p. 360-367
    発行日: 2021/06/30
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    症例は48歳男性.アルコール多飲による膵炎を繰り返し10年前から糖尿病を指摘され,4年前からはインスリン自己注射が導入されていた.今回呼吸困難と脱力で搬入され,糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)とともに両側下肺野にびまん性すりガラス影を伴う急性間質性肺炎(AIP)を認めた.AIPに対してステロイドパルスを施行し奏功した.入院時の血清CEAが60.2 ng/mLと高値を示していたことから,大腸癌や肺癌などの悪性腫瘍を疑って検索したが悪性腫瘍は認めなかった.血清CEAは糖尿病においても軽度上昇することが知られており,また腸炎や肺炎などの良性疾患でも上昇することが報告されているが,本症例の様に高値になることは稀である.本症例では,血清CEAはDKAとAIPの改善とともに低下したことから,血清CEAはDKAとAIPの病態に関連して上昇した可能性が示唆された.

  • 藤井 淳子, 太田 充, 山藤 知宏, 森田 聖, 布施 順子, 戸川 剛, 安田 浩一朗
    2021 年 64 巻 6 号 p. 368-375
    発行日: 2021/06/30
    公開日: 2021/06/30
    ジャーナル 認証あり

    症例は28歳女性,体重138.4 kg(BMI 46.7 kg/m2),2型糖尿病(HbA1c 7.6 %).多嚢胞性卵巣症候群にて無月経あり他院で不妊治療を2年間行うも妊娠に至らず不妊改善の減量目的に当院紹介受診した.食事・運動療法では減量維持せず無月経も改善しなかった.次の治療に肥満外科手術を示し有効性やリスクを説明すると,腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を希望した.術前から頻回に栄養指導し約5か月で体重は約10 kg減少し119 kgとなり手術を施行した.術後半年で体重90.1 kgへ減量,HbA1c 5.0~5.3 %で経過した.経過良好にて無月経の治療を再開したところ,妊娠・出産に至った.糖代謝は,術前は75 gOGTTで境界型相当だったが28か月後は正常型相当となった.患者が術前からの栄養教育により食事療法の重要性を十分理解していたことで妊娠中の栄養補給も適切に実行でき,無事出産に至った.

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