糖尿病
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原著
アンジオテンシンII 1型受容体拮抗薬からロサルタン・ヒドロクロロチアジド合剤への変更が血圧,腎臓,代謝に与える影響 血圧コントロールが不十分な2型糖尿病患者における検討(KOLABO study)
大塚 章人武田 浩一郎久保 聡子KOLABO研究グループ
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2011 年 54 巻 6 号 p. 399-405

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抄録
各種アンジオテンシンII 1型受容体拮抗薬(angiotensin II type 1 receptor blocker,以下ARBと略す)からロサルタン50 mgとヒドロクロロチアジド(hydrochlorothiazide,以下HCTZと略す)12.5 mgの合剤(losartan/HCTZ)への変更が,2型糖尿病患者の血圧,腎臓,代謝に与える影響について検討した.対象は通常用量のARBを含む降圧薬投与で降圧が不十分な,収縮期血圧130 mmHg以上または拡張期血圧80 mmHg以上の外来通院中の2型糖尿病患者84人.各種ARBをlosartan/HCTZに変更後6ヵ月間の血圧及び臨床検査値の変化を観察した.血圧は1ヵ月後より有意に低下し,6ヵ月後には変更前の151/82 mmHgから136/73 mmHgに低下した.HbA1c(JDS値)は変更後5ヵ月間有意に上昇した(約0.2%).尿酸は軽度上昇,HDLコレステロール,カリウムは軽度低下した.また,尿アルブミン量と推算糸球体濾過量は有意に減少し両者の変化量に有意な正相関を認めた.高血圧合併2型糖尿病患者において,各種ARBからlosartan/HCTZへの変更は,代謝への軽微な影響はあったが,著明な降圧と腎保護作用を示した.
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© 2011 一般社団法人 日本糖尿病学会
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