糖尿病
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原著
知覚痛覚定量分析装置PainVision®PS-2100を用いた糖尿病神経障害の評価
馬殿 恵小幡 佳也細川 吉弥最所 賢二丹波 祥子山本 浩司山田 祐也松澤 佑次
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2011 年 54 巻 7 号 p. 493-498

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抄録

知覚痛覚定量分析装置PainVision®PS-2100は痛みを与えることなく電流知覚域値を簡便に測定することで神経障害の程度を定量評価する検査機器である.今回,糖尿病神経障害の評価方法としてPainVisionを用いることの妥当性につき検討を行った.一般的に糖尿病神経障害の指標とされる自覚症状の有無・アキレス腱反射・CVR-R・簡易診断基準を用いた神経障害の有無とPainVisionで測定した電流知覚域値は有意に相関した.また,PainVisionが異常を示した群は正常群に比べてF波潜時は高値であり,SNAP振幅は低値であった.今回の検討により,PainVisionは神経伝導検査と比較すると感度や他の神経線維障害情報が得られないという点で劣るものの,糖尿病神経障害の評価において従来の神経学的感覚検査と比較すると神経障害の程度を簡便に,かつ客観的に定量評価するという点で有用な検査方法であると考えられた.

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© 2011 一般社団法人 日本糖尿病学会
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