糖尿病
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患者心理・行動科学
肥満2型糖尿病患者の血糖コントロールと食行動に与えるエキセナチドの効果
德田 八大越智 史浩宮越 香名窪岡 由佑子楠 宜樹村井 一樹美内 雅之勝野 朋幸浜口 朋也宮川 潤一郎難波 光義
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2013 年 56 巻 10 号 p. 759-768

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抄録
肥満2型糖尿病患者22例において,エキセナチドがその血糖コントロールと食行動に及ぼす影響を検討した.副作用のために継続できなかった2例を除く20例について分析を加えた.外来導入例を対象とし,エキセナチド5 μg×2回/日を投与,体重減少あるいは血糖値の改善において効果不十分と判断した例は10 μg×2回まで増量し,投与後12週間まで経過観察を行った.観察期間前後でHbA1c(NGSP),空腹時血糖値,体重,血清CPRを測定し,食行動を7項目に分けた質問票で評価を行った.エキセナチド投与後,HbA1cは有意に改善し,血清CPRは有意に増加し,体重は有意に減少した.食行動は全ての項目に関して有意に改善していた.さらにHbA1c改善・非改善群,体重減少・非減少群,男性・女性群での比較検討を行った結果,エキセナチド投与によるHbA1cの改善と体重減少効果は必ずしも一致しなかった.特に肥満2型糖尿病女性においては,食行動の全ての項目で改善を示したのに加え,HbA1cの改善と体重減少もみられ最も効果的であった.
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© 2013 一般社団法人 日本糖尿病学会
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