糖尿病
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DPP-4阻害薬追加時のスルホニル尿素薬はその量に関係なく一旦半減するのが適切な調節であると考える
栗原 義夫山下 久美子
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2013 年 56 巻 11 号 p. 892-896

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抄録

スルホニル尿素薬(以下SU薬)を含む経口血糖降下剤治療にdipeptidyl peptidase-4(以下DPP-4)阻害薬を追加した当院通院中の2型糖尿病患者219例を対象に,SU薬の用量調節について後ろ向きに検討を行った.SU薬を減量せずにシタグリプチンを追加した169例では,3ヵ月以内に低血糖症状の発現や低血糖予防のためにSU薬を減量された者が46例(27 %)あった.そのうちRecommendation以下のSU薬を服用していた者が9例(20 %)あった.また,SU薬をその量に関係なくほぼ半減しシタグリプチンを追加した50例の患者では低血糖症状の発現はなく,HbA1cの低下幅はSU薬を減量しなかった患者と有意差を認めなかった(-0.9 % vs -0.9 %,p=0.95).以上よりSU薬にDPP-4阻害薬を追加する時には,SU薬はその量に関係なく一旦半減するのが適切な調節であると考える.

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© 2013 一般社団法人 日本糖尿病学会
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