2016 年 59 巻 11 号 p. 748-758
糖尿病患者に行うフットケアの取り組みの実態を明らかにするために,日本糖尿病学会の認定教育施設及び教育関連施設624施設(2012年6月)を対象に郵送式質問紙調査を実施した(2012年10~12月).分析対象は,回答を得た143施設とした.フットケアの実施率は,500床以上,7対1看護体制,専門・認定看護師を有する施設において高かった.フットケア専門外来を設置している施設は89施設(62.2 %)であり,フットケア実施時間と患者数は1ヵ月あたり延べ17.4±28.2時間,29.5±52.5人であった.また,フットケア実施状況(足潰瘍発症リスク評価・フットケア介入・フットケア評価)では,フットケア介入の実施率に比較して,足潰瘍発症リスク評価・フットケア評価の実施率が低かった.糖尿病フットケア外来の設置や適切なフットケアの実施は未だ不十分と考えられ,今後さらに糖尿病足病変予防体制の構築をおこなっていく必要がある.