糖尿病
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病態・代謝異常・合併症
糖尿病治療薬による重症低血糖―10年間に当院救急受診した患者の解析より―
松岡 有子角谷 佳城山田 正一西山 明秀三家 登喜夫
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2021 年 64 巻 3 号 p. 155-162

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抄録

2009~2018年度の10年間に当院を救急受診した糖尿病治療薬による重症低血糖(自己のみでは対処できない低血糖)について調査した.患者数は延べ329例(救急受診者の0.66 %)で,高齢でやせ型に多かった.明らかな1型糖尿病患者は11.2 %存在した.治療法はインスリン治療が42.2 %,インスリンと経口薬併用が16.4 %,経口薬が41.3 %であった.経口薬のうち86.0 %はスルホニル尿素薬が投与されていた.また,スルホニル尿素薬投与者の25.9 %が腎機能低下者であり,29.9 %にdipeptidyl-peptidase-4阻害薬が併用されていた.患者数やその救急受診者に対する比率は,いずれも2009年度が最も高く以後漸減し,2018年度の比率は2009年度の約1/2になっていた.この減少はスルホニル尿素薬に起因する低血糖の減少によることが考えられた.

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© 2021 一般社団法人 日本糖尿病学会
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