糖尿病
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症例報告
メトホルミンの過量服薬により乳酸アシドーシスと急性腎不全を呈した2型糖尿病の1例
渡邉 聡子勅使川原 早苗國方 友里亜三嶋 麻揮田原 稔久今井 佑輔金藤 光博田村 友和桃木 律也小武 和正利根 淳仁中塔 辰明
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2022 年 65 巻 4 号 p. 188-194

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抄録

メトホルミンの過量服薬を契機に乳酸アシドーシス,急性腎不全を呈した2型糖尿病の1例を経験したので報告する.症例は50歳代男性.入院2週間前より気分の落ち込み,食欲不振を認めていた.入院2日前の採血で血清Cre 1.50 mg/dL,血糖247 mg/dL,血液ガス分析では異常を認めず,入院前日の採血ではCre 1.42 mg/dLであった.入院前日の夜にメトホルミンを推定4000 mg服用し,嘔気嘔吐,下痢が出現したため,翌日当院へ救急搬送となった.血液ガス分析でpH 6.91,乳酸25.0 mmol/L,採血でCre 4.39 mg/dLと,乳酸アシドーシス,急性腎不全を認めた.来院後速やかに緊急血液透析を開始することで救命し得た.メトホルミンの過量服薬後に急激な腎機能悪化を認めた経過から,メトホルミンによる直接的な腎障害が示唆された.迅速な血液透析が治療に有効であったので報告する.

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© 2022 一般社団法人 日本糖尿病学会
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