糖尿病
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腹水肝癌細胞のインスリンレセプターに関する研究
佐々木 嵩中山 秀隆渡辺 卓二尾崎 士郎青木 伸織田 一昭栗原 義夫佐藤 光男中川 昌一牧田 章
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1977 年 20 巻 6 号 p. 742-747

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抄録

腹水肝癌細胞AH-66のインスリンレセプターの性状を検討し, 癌細胞膜には親和定数が9.0×109M-1, 2.8×109M-1の2種類のレセプターの存在を確認した。これらの親和定数は正常ラット肝細胞膜における定数とほぼ等しいが, 高親和性レセプターの結合容量は正常肝の57%増加を示した. 癌細胞膜と1251-インスリンの結合におよぼすconcanavalinAの競合効果は正常肝とほぼ等しかった. 癌細胞膜と125I-インスリンの結合に対しグルカゴン, ACTH, HGH, TSHは競合せず, AH-66細胞のインスリンレセプターはインスリンに特異的であった. 測定系にN-ethylmaleimideの添加は, 対照に比べ親和定数, 結合容量特異的1251-インスリン結合のすべてを増加させた. AH-66癌細胞のインスリンレセプターは正常肝に比べ, 親和定数は等しく結合容量の増加もわずかにすぎなかったが, 癌細胞の異常な発育増殖を考えると, 癌細胞系, 腫瘍組織系の中には膜レセプターの変化を伴うものが存在する可能性が予測された.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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