1978 年 21 巻 11 号 p. 959-964
例の小児期発症糖尿病患者にMCインスリンを使用し投与インスリン1単位当たりの血中総インスリン量および125Iインスリン結合率の推移を, 市販インスリン使用中の対照13例と比較した.
投与インスリン当たりの血中総インスリン量はMCインスリン治療群では9例中6例 (67%) に減少をみたのに対し, 対照群では13例中4例 (31%) に減少をみたに過ぎなかった.1251インスリン結合率は9例中7例 (78%) で減少し, 対照群で減少したのは13例中僅か2例 (15%) にすぎなかった.
血中総インスリン値に著変がなく, インスリン結合率が漸増を示した1例ではコクサッキーB4, mumpsvaricellaウイルスの抗体が持続陽性を示し経過観察中である.