糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
糖尿病性網膜症を合併した糖尿病患者の運動負荷時HGH反応
高橋 千恵子高取 悦子水野 美淳平田 幸正
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 22 巻 7 号 p. 767-776

詳細
抄録

成長ホルモンが糖尿病性網膜症の悪化, 進展を促進する1つの要因であるとする見解がある.運動は糖尿病患者の治療の重要な要素であるが, 運動が成長ホルモン分泌を刺激することは良く知られている.このため増殖性網膜症が現在進行中の患者と網膜症が無いか, あっても軽度の者の間で, 最大酸素摂取量の50%前後の運動を自転車エルゴメーターを用いて行い, 運動前, 中, 後の血糖, IRI, HGH, 血圧, 脈拍, を比較した.この結果両者の間で血糖, IRI, 血圧, 脈拍, 最大酸素摂取率に対する運動強度の%などには差を認めなかったが, 増殖性網膜症群においてはHGH反応のみ有意に大きかった.HGH過剰反応が糖尿病性細小血管症に何らかの関係を有することから, 増殖性網膜症を合併する場合の運動療法については慎重を要するかも知れない.

著者関連情報
© 社団法人 日本糖尿病学会
次の記事
feedback
Top