1985 年 28 巻 2 号 p. 83-87
FPGとHbA1との組合せによってGTTを要する対象者をscreeningすることを検討した. 238名を対象としてGTTを実施し, その診断によって正常型, 境界型および糖尿病型の3群に分類した. 正常型群は55名, 境界型群は71名および糖尿病型群はU2名であった.
FPGとHbA1との間にはr=0.802の有意相関 (P<0.001) が存在した. FPG140mg/100ml未満の糖尿病型群を抽出して, そのHbA1のmean±1 S. D.を求めると9.8%であった.FPG140mg/100ml以上か, HbA19.8%以上の条件を満足する対象者はすべて糖尿病型群に属し, 同群の75.9%を占めた. 正常型群のFPGとHbA1の平均値はそれぞれ84/mg/100mlと7.0%であった. この両値以下を満足する対象者はすべて正常型群に属し, 同群の30.9%を占めた. FPGが84mg/100ml以上で140mg/100ml未満およびHbA1が7.0%以上で9.8%未満で規定される範囲には正常型群の69.1%, 境界型群の100%および糖尿病型群の24.1%が含まれた. この範囲の対象者の72.1%はGTT異常者であった.
これらの成績はFPGとHbA1との組合せによって正常域, 糖尿病域およびGTTを要するScreening域を区別できることを示す.