糖尿病
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ラット顎下腺のAcid Saline Extractによる125I-グルカゴン, 125I-Pancreatic Polypeptideならびに125I-インスリンの破壊とProteinase Inhibitorによる非抑制
田坂 仁正丸茂 恒二井口 幸子平田 幸正
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1987 年 30 巻 4 号 p. 343-348

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抄録
ラット顎下腺のacid saline extract (ASE) には強力な125-Iグルカゴンの破壊酵素が含まれている.本研究ではASEの125I-グルカゴンのみでなく, 125I-pancreatic polypeptide (PP) ならびに125I-インスリンに対する作用を検討し, また種々のproteinase inhibitorの効果を研究した.ASEは通常のホルモン免疫学的測定条件では125-Iグルカゴンのみでなく125I-PPをも破壊したが125I-インスリンは破壊しなかった (TCA法).leupeptinは上記の強力なproteinase inhibitorでありp-chloromercuriphenylsulfonic acid (PCMS) ならびにN-ethylmaleimidel, こも抑制作用がみられた.PCMS16mMは125I-グルカゴンの破壊をほとんど完全に抑制した.これらの事実は孵置液のゲル炉過によっても確認された.leupcptin 0.4mMならびにPCMS 16mMが存在する時には125I-グルカゴンならびに125I-PPのピークの移動はみられなかった.以上ASEは125I-グルカゴンのみでなく125I-PPをも破壊し, thiol proteinase inhibitorはこれらの125I-peptideの破壊を抑制した.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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