糖尿病
Online ISSN : 1881-588X
Print ISSN : 0021-437X
ISSN-L : 0021-437X
プロラクチノーマに糖尿病を合併した1例
鈴木 誠司奥田 諭吉朝倉 由加利香取 登久江坂内 千恵子川上 康小田原 雅人松島 照彦川井 紘一山下 亀次郎
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 38 巻 11 号 p. 869-874

詳細
抄録
プロラクチノーマに糖尿病を合併した症例を経験し, ブロモクリプチン投与前後における耐糖能の変化を検討した. 症例は22歳の男性. 1992年5月, プロラクチノーマのため下垂体腺腫摘出術を施行. 同年7月上旬より易疲労感, 多飲, 多尿が出現し, 糖尿病と診断し入院. 入院後, 糖尿病は食事療法と経口剤にて治療を開始し, その後食事療法と運動療法のみにて良好な血糖コントロールが得られた. 下垂体には2×1cmの腺腫が残存し, 血漿プロラクチン値は110.1ng/mlと高値であった. ブロモクリプチン投与を開始し, 血漿プロラクチン値は9.7ng/mlへ低下した. ブロモクリプチン投与前後で75g OGTTと20g IVGTTを行った. 75g OGTTではブロモクリプチン投与中で, 血糖値は改善し, 血漿インスリンの反応は増加した. 以上より高プロラクチン血症がインスリン分泌に影響を及ぼすことが示唆された.
著者関連情報
© 社団法人 日本糖尿病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top