1997 年 40 巻 10 号 p. 659-663
糖尿病患者は非糖尿病患者に比して大腸癌に罹患しやすいかを検討する目的で横断研究を実施した. 対象は, 総合病院町立大淀病院で全大腸内視鏡検査が施行された患者391例 (男性235例, 女性156例, 平均年齢61歳) である. Mantel-Haenszel法で算出したオッズ比から糖尿病と大腸癌合併の関連性について検討した. 大腸癌の合併は, 糖尿病患者57例中17例 (有病率30%) に対し, 非糖尿病患者334例中48例 (有病率14%) であった. 大腸癌有病率についての非糖尿病群に対する糖尿病群のオッズ比は, 2.35 (95%信頼区間: 1.28~4.48) であった. 以上から, 糖尿病患者は, 非糖尿病患者に比して大腸癌に罹患しやすいことが示唆される.