糖尿病
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難消化性デキストリンを有効成分とする特定保健用食品の糖質・脂質代謝に及ぼす影響
徳永 勝人松岡 瑛
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1999 年 42 巻 1 号 p. 61-65

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抄録

水溶性食物繊維 (難消化性デキストーン5.12g) を有効成分とする特定保健用食品 (混合茶340g, 缶入り, 一般名;「難消化性デキストーン」(Tea Containing indigestible dextrin), 以下KSと表記) の糖質および脂質代謝に及ぼす影響を, 健常人および高脂血症患者を対象に評価した.(1) 健常人40例において, KSは試験食 (うどん定食: 炭水化物105g, 580kcal) 摂取後の血糖上昇を対照の緑茶340g摂取時 (83.0±4.6mg/dl) の76%に, また血糖曲線下面積 (AUC: 105.4±6.5mgmm/dl) は70%に低下させた.低下効果は緑茶摂取時の血糖頂値が40例の平均値 (171.5±4.7mg/dl) より高値を示した18例 (199.1±4.2mg/dl) でより顕著に現れ, 血糖上昇 (107.3±4.8mg/dl) は68%, AUC (134.2±8.3mg mh/dl) は67%に低下した.(2) 高脂血症llb型3例, IV型4例および健常人3例にKSを毎食時1カ月間反復摂取させたところ, 血清中性脂肪値は全例で低下し, 開始時 (205.5±2) mg/dl) に比べ有意な低下 (141.6±19.5mg/dl) がみられた. 低下はIV型において顕著G5~58%であった.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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