糖尿病
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インスリンアレルギーを呈したインスリン非依存型糖尿病の1例
割田 悦子清水 弘行生方 正森 昌朋
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1999 年 42 巻 12 号 p. 1013-1015

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抄録

52歳, 女性. 1990年にインスリン非依存型糖尿病 (NIDDM) と診断され, 1997年6月より近医にてインスリン療法を開始された. ペンフィル (R) N朝20単位, 夕10単位で血糖コントロールは良好となったが, 9月頃より注射部位の掻痒感, 発赤が出現し抗ヒスタミン剤外用では改善せず, 10月頃には注射部位の径約5cmの腫張, 嘔気も出現するようになった. 10月21日注射直後に嘔気, 嘔吐, 全身掻痒感, 散在性発疹が出現, インスリンによるアナフィラキシーショックが疑われ, 当科紹介となった. RASTヒトインスリン特異IgE抗体価は高値を示し, インスリンの皮膚反応等よりヒトインスリンアレルギーと判定した. 急速減感作療法, また抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬併用も試みたが無効であり, ステロイド混注にても症状の改善を認めず, 経口血糖降下薬にて経過観察中である.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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