糖尿病
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内因性糖放出抑制についてのインスリン感受性の2-compartment modelによる解析
徳山 薫平長坂 昌一郎草鹿 育代中村 友厚石川 三衛斉藤 寿一遠山 真佐美西田 裕一郎清永 明田中 宏曉
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2001 年 44 巻 10 号 p. 813-818

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抄録

健常人23名に標識糖を用いた経静脈糖負荷試験を施行し, 2-compartment minimal model (Am J Physio1277: E481-, 1999) で解析し, 内因性糖放出に対するインスリンの抑制作用の定量を試みた.まず, 標識糖の経時変化からインスリンの糖取り込み促進作用のみを反映するインスリン感受性指数 (SI2*)およびcompartment間の糖の交換と分布容積に関するパラメータ (k12, k21とV1) を求め, これらのパラメータと血糖の経時変化から糖取り込みを促進し内因性糖放出を抑制するインスリン作用の総和 (SI2) を計算した.血糖の経時変化の解析においては, 抗インスリンホルモンによる血糖上昇作用の影響を除去するために糖負荷試験後半のデータを計算から除外し, SI2とSI2*の差から内因性糖放出を抑制するインスリンの作用 (hSI2) を求めた.インスリン感受性指数はSI2≧Sl2*となり理論上の大小関係と一致し, またhSI2はSI2の約4096であった.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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