2001 年 44 巻 12 号 p. 935-941
2型糖尿病患者367名を対象に血清総SOD活性, extracellular (EC)-SOD量を測定した. 両者の相関はr=0.338と有意 (p<0.01) な関係であった, 高SOD血症 (総SOD>4.0U/ml) はEC-SOD量に依存する傾向があり, High EC-SOD (>500ng/ml) 群が26名 (7.196), Low ECSOD群 (<200ng/ml) 群が341名 (92.9%) であった.
High EC-SOD群には腎症や微量アルブミン尿に増悪傾向はなかった. しかし, Low EC-SOD群ではEC-SODとalbumin excretion index (AEl) との相関はr=0.170 (p<0.01) となった. この時, Normo群 (N=214) は81.1±21.9, Micro群 (N=100) は83.2±19.8, Macro群 (N=27) は102.9±353ng/mlとなり, 健常群 (N=53) の73.1±167ng/mlに比して有意 (p<0.01) に高値であり, 腎症進展に伴いEC-SODは上昇していった.
以上, 本研究において, 血清総SOD活性はEC-SOD量に大きく依存することが判明し, しかも腎症の発症や増悪に活性酸素が関連していることが示唆され, EC-SODは腎症マーカーとして有用であった.