糖尿病
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原発性肺膿瘍を合併した糖尿病の4例
莇 也寸志
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2002 年 45 巻 10 号 p. 743-746

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抄録
糖尿病に合併した4例の原発性肺膿瘍の臨床的特徴を検討した, 全例男性で, 発症時の年齢は, 39歳, 51歳, 53歳, 60歳であった. 起炎は, 黄色ぶどう球菌1例, 不明3例であり, 不明3例のうち2例の喀痰が悪臭を伴い, 嫌気性菌の関与が疑われた, 全例抗生剤によって治癒した.臨床的特徴は, (1) HbA1c高値 (15.5%, 8.9%, 11.6%, 9.6%), (2) 喫煙中 (喫煙本数: 20~50本/日), (3) 非肥満 (BMI: 24.1, 22.7, 19.2, 20.1), 血清アルブミン低値 (2.3g/dl, 3.5g/dl, 3.6g/dl, 3.1g/dl), 血清コレステロール低値 (136mg/dl, 103mg/dl, 127mg/dl, 120mg/dl), (4) 歯周疾患の合併, であった, 糖尿病に合併する原発性肺膿瘍を予防するには, 血糖コントロールと同時に, 歯周疾患の治療と禁煙が重要であり, さらに, 気道感染症状が出現した際に, 早期に医療機関を受診するように, 患者へ指導することも重要と考えられた.
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© 社団法人 日本糖尿病学会
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