糖尿病
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2型糖尿病のインスリン療法におけるインスリン離脱可否の予測因子に関する検討
菅田 有紀子山田 和代原田 友美子川崎 史子斉藤 美恵子井上 寛松田 昌文松木 道裕衛藤 雅昭加来 浩平
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2004 年 47 巻 4 号 p. 271-275

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抄録

【目的】インスリン強化療法導入2型糖尿病患者で, インスリン治療から離脱しえた症例 (離脱群), および継続を余儀なくされた症例 (継続群) について, 臨床的特徴を比較検討し, インスリン離脱の予測因子を解析した.【対象と方法】2型糖尿病患者83名を対象とした. 導入時にHbA1c, BMI, 罹病期間, 血清CPR, 24時間尿中CPRを, さらにHbA1c, インスリン投与量を経時的に測定した. 離脱の条件はHbA1c6.5%以下で投与量が0.3U/kg体重未満とした.【結果】離脱群42名, 継続群41名で, 年齢, 導入時のBMI, HbA1cに差はなかった. 罹病期間は離脱群で有意に短く (p<0.05), 離脱時のインスリン投与量とHbA1cは同時期の継続群に比べて有意に低かった (いずれもp<0,0001).【考察】罹病期間は離脱予測因子として, インスリン投与量およびHbA1c値は離脱の評価因子として有用である.

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© 社団法人 日本糖尿病学会
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