日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌
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出動基準や孤立地域がヘリコプターを利用した救急搬送システムの最適配置計画に与える影響の分析
古田 壮宏田中 健一
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2011 年 54 巻 p. 109-124

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抄録
本稿では,消防防災ヘリコプターの救急利用に注目が集まっている現状に対し,ヘリコプターの出動拠点とヘリポートの配置に着目して,出動基準の違いや孤立地域の存在が最適配置にどのような影響を与えるかを分析する.出動基準の違いに関する分析では2つの時間に着目する.1つめは,ヘリコプターを利用する場合の需要点から病院までの搬送時間である.この時間が一定以内である場合にヘリコプターによる搬送の対象とみなす.2つめは,救急自動車による直接搬送と比較して,ある一定時間以上の搬送時間の改善が見込める場合にのみヘリコプターによる搬送を行うとするときの改善時間である.本稿では,この搬送時間や改善時間および配置施設数の変化が最適配置に与える影響の分析を行う.また,高度医療サービスから孤立している地域の存在が最適配置にどのような影響を与えるかを,救急自動車による移動が不可能な地域を考慮して得られる解を用いて分析する.
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© 2011 日本オペレーションズ・リサーチ学会
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