図書館界
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「図書館教育」の復権
塩見 昇
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2004 年 56 巻 4 号 p. 214-222

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抄録

学校図書館の制度的黎明期である戦後初期に,学校図書館を活かした教育実践をさす用語としてよく使われた「図書館教育」は,1960年代初めに「学校図書館の利用指導」にとって代わられ,姿を消す。ところが,子どもたちが自ら考え,自ら学ぶ学校への転換が強調される1990年前後からの教育改革の動きを受けて,学校図書館への関心が高まる中で,学校図書館の教育的意義を「図書館教育」として表現することが目立っている。この用語の消長には,学校教育と学校図書館との関連性の反映がうかがえる。いま,「教育としての学校図書館」像の理論的・実践的な構築に向け,改めて「図書館教育」概念の復権を提起する。

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© 2004 日本図書館研究会
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