凍結および乾燥研究会会誌
Online ISSN : 2432-9916
Print ISSN : 0288-8297
1. 急速凍結赤血球の融解条件と溶血との関係(昭和51年度第22回凍結及び乾燥研究会講演並びに討論要旨)
根井 外喜男J. Farrant
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1976 年 22 巻 p. 33-35

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抄録
従来,生細胞の凍結障害に関する研究において,凍結過程の条件についてはかなり詳しい吟味が行なわれているが,融解過程についてはあまり検討されていない.Merymanは彼の著書の中で,急速凍結赤血球を生理食塩水中で融解するとかなり溶血があるのに,これをPVP溶液中で融解すると溶血ははるかに少ないことを述べている.われわれはこの点に注目し,PVP以外の融解液についても検討してみたのでその結果を報告したい.またこのような実験を行なう際,試料として用いる赤血球の濃度によって凍結融解後の溶血度に大きな差のあることを認めたので,その点についてもふれたい.
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© 1976 低温生物工学会
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