凍結および乾燥研究会会誌
Online ISSN : 2432-9916
Print ISSN : 0288-8297
1. アジア産餅麹中の乳酸球菌Pediococcus Pentosaceusの選択的生残性と保存性への一示唆(昭和59年度第30回凍結および乾燥研究会特別講演および研究会報告)
澄川 妙子内村 泳岡田 早苗小原 直弘小崎 道雄
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1984 年 30 巻 p. 7-10

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抄録

アジア産餅麹より分離したP. Pentosaceusの米粉における保存性を乾燥に対する抵抗性,水分活性値との関連から他の乳酸菌株と比較検討した.1)担体の乾燥状態による比較では分離P. Pentosaceusが水分活性値の低下の速度にかかわらず高い生残菌数を示した.分離桿菌及び対照株は水分活性値の低下が緩かであると生残菌数が大幅に減少することが確認された.2)乳酸菌株間における比較においても分離株P. Pentosaceusの生残性が良好であったことから同株が乾燥に対し強いことが推察された.3)保存担体材料による比較では,アジア各地の餅麹の材料である米,小麦,ソバなどの地上澱粉においいて,分離菌株のうち,P. Pentosoceusの保存性がL. plantarumより良好であったことから,P. Pentosaceusの保存担体としてこれらの澱粉質が適していることが推察された.

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© 1984 低温生物工学会
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