島しょ医療研究会誌
Online ISSN : 2435-9904
伊豆諸島南部地域の医療習俗
~八丈島・青ヶ島の巫俗を中心に~
土屋 久
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 11 巻 p. 10-15

詳細
抄録
 伊豆諸島南部地域の医療習俗について,八丈島と青ヶ島の巫俗(ふぞく:シャマニズム)を中心に考察した.神懸かりするミコ(巫女)は神役として中心的存在であり,祭祀儀礼に携わる他に各種相談に当たる役割も兼ねている.あるミコが対応した健康相談の内容を民俗病因論上類型化し,先行研究と比較した ところ多くの点で符号していた. 該当しない内容は祭文・経文の中に共通項を見出すことができた.当該地域に暮らす人々の伝統的な病気観や健康観,治療観を考察する作業は,保健医療の現場における問題を考える上で有用と思われる.
著者関連情報
© 2021 島しょ医療研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top