抄録
島しょ基幹病院である当院は島しょ地域の救急搬送患者の実態を知る必要がある.そのため,平成23 年 1 月~平成 27 年 12 月の 5 年間に島しょ地域からヘリコプター及び飛行艇で広尾病院へ搬送され,救命救急センター及び集中治療室へ入院となった患者の実態調査を行った.その結果,島しょ地域からの救急搬送では,60 歳以上の高齢者が 76.7%であった.疾患分類として脳疾患,消化器疾患,循環器疾患が多く,全体の 8 割近くを占めた.また,内因性の疾患が 85.4%であり,その多くは生活習慣病が主な要因に挙げられる疾患であった.以上の結果を踏まえ,島しょ基幹病院として,島しょの医療実態をタイムリーに知り,退院後の生活を考えた関わりをしていく必要がある.