島しょ医療研究会誌
Online ISSN : 2435-9904
超高速インターネット衛星 「きずな」 を用いた 遠隔診療実験の報告
城川 雅光落合 紀宏中野 智継小山 茂大貫 明中島 康井上 大輔光定 誠佐々木 勝
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2011 年 3 巻 2 号 p. 52-59

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抄録

 島しょでは,限られた人員で様々な主訴の患者に対応している.迫られる専門的な判断や処置に対して,これまでは静止画の伝送と電話での医療支援を行ってきた.今回,JAXA と小笠原村の遠隔医療実験に広尾病院が協力して実験を行った.超高速インターネット通信衛星『きずな』を利用し,動画とハイビジョン画像を送受信し対面診断,遠隔内視鏡診断,遠隔放射線画像診断,処置の技術指導の 4 点について検証を行った.衛星通信に必発の通信遅延や画質については十分実診療に耐えうるものと判断された.今後,小笠原村と本土の間で光ファイバー通信の運用が開始されるため,今回実験した内容と同様のことが可能となる.動画での支援が今後の新しい島しょ医療支援の形として提供でき,島の医療水準の更なる向上につながることが期待される.

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© 2011 島しょ医療研究会
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