日本トキシコロジー学会学術年会
第33回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-079
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ミニブタを用いた各種外用剤の皮膚刺激性試験-ウサギおよびモルモットとの比較-
*山田 恭史岩崎 栄田中 勝幸浅野 育子久木 浩平有馬 和範
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抄録
目的 前回、貼付剤による皮膚刺激性の動物種による差異を報告したが、引き続き一般に使用されている抗菌剤について、皮膚構造がヒトに似ているミニブタを用いて皮膚刺激性の強度をウサギおよびモルモットと比較検討した。
方法 ウサギ、モルモット、ミニブタの背部皮膚に9種の抗菌剤を1日1回、計21回開放塗布した。初回投与後から毎日塗布後23時間に被験物質を拭き取り、その30分後に皮膚反応を観察して、皮膚累積刺激性を検討した。
結果 1種の抗菌剤による皮膚累積刺激性は、ウサギで強度、モルモットでは中等度であったが、ミニブタでは軽度であった。他の8種の抗菌剤ではウサギおよびモルモットともに中等度の皮膚累積刺激性がみられた。一方、ミニブタでは内3種の抗菌剤で軽度、4種ではごく軽度の皮膚累積刺激性がみられた。残りの1種ではまったく皮膚反応がみられなかった。また、ヒトにおいてもこれら抗菌剤の使用において重篤な副作用の報告はされていない。
以上の結果、ミニブタの皮膚の感受性はウサギおよびモルモットに比して非常に弱く、ミニブタの抗菌剤における累積刺激性はヒトとほぼ同様か若干強いと推測される。このことからミニブタとヒトとはほぼ相関していると考えられ、ミニブタで皮膚刺激性を評価することにより、ヒトへの外挿性において信頼性がより高くなると考えられる。
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© 2006 日本毒性学会
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