日本トキシコロジー学会学術年会
第33回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-227
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内分泌系
幼若雌性ラットの子宮におけるヘッジホッグ遺伝子およびヘッジホッグ標的遺伝子の発現に及ぼすエストロゲンレセプター選択的アゴニストの影響
*片山 誠一芦沢 幸二福原 理広廣安 誠永井 賢司山下 保志
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抄録
【目的】ヘッジホッグシグナル伝達系は,ヒトを含む多くの動物種において,様々な器官の発生・分化に密接に関係している.我々は,エストロゲン活性物質が子宮のヘッジホッグおよびヘッジホッグ標的遺伝子の発現に及ぼす影響を捉えるため,エストロゲンレセプター(ER)選択的アゴニストおよびERアンタゴニストを幼若雌性ラットに投与し,各遺伝子の発現がER alphaおよびER betaのどちらに依存しているかを評価した.【方法】19日齢の雌性ラットに溶媒,ERアゴニストであるエチニルエストラジオール(EE),ER alpha選択的アゴニストであるpropyl pyrazole triole(PPT),ER beta選択的アゴニストであるdiarylpropionitrile(DPN),またはERアンタゴニストであるICI 182,780を単回投与した.実験1では,溶媒,EE(0.3,1,3 μg/kg),またはEE(3 μg/kg)+ ICI 182,780(1 mg/kg)を経口投与した.実験2では,溶媒,PPT(10 mg/kg),またはDPN(10 mg/kg)を皮下投与した.投与後約24時間に子宮を摘出し,RNAlater中で保存した.子宮のヘッジホッグ遺伝子(Ihh,Dhh)およびヘッジホッグ標的遺伝子(Ptc1,Gli1,COUP-TFII)の発現量は,real-time RT-PCR法によって評価した.【結果】Ihh,DhhおよびPtc1のmRNA発現量は,EE投与によって用量依存的に減少した.これらのmRNAの発現変化は,ICI 182,780の投与により抑制されたことからERを介した反応と考えられた.PPTは,Ihh,Dhh,Ptc1,Gli1およびCOUP-TFIIのmRNA発現量を減少させた.DPNは,IhhおよびDhhのmRNA発現量を軽度に減少させたが,その程度はPPTが誘導した反応よりもかなり弱く,またPtc1,Gli1およびCOUP-TFIIのmRNA発現には影響を与えなかった.これらの結果は,幼若ラットの子宮において,ヘッジホッグ遺伝子(Ihh,Dhh)およびヘッジホッグ標的遺伝子(Ptc1,Gli1,COUP-TFII) の発現がER alpha依存性の経路に制御されていることを示唆している.
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© 2006 日本毒性学会
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