日本トキシコロジー学会学術年会
第36回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-179
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医薬品,新規化学物質と,オミクス等の安全性評価
TLRリガンドによるマウス好中球性気道炎症モデルの迅速評価法について
*坂田 孝柳楽 庸史江崎 友哉梶原 悠村田 健司田中 宏幸稲垣 直樹永井 博弌
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抄録
前回、我々は、気道好酸球増多を特徴とするマウスアレルギー性気道炎症モデルにおいて、フローサイトメトリー法(以下FCM法)が、BALF中の細胞成分の迅速評価に有用であることを報告した。本モデルでは、特に好酸球分画においてマニュアル法(サイトスピン法)とFCM法の間に良好な相関が認められた。一方、昨今、末梢気道炎症、肺気腫により惹起される閉塞性換気傷害を特徴とするCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の増加に伴い、発症機序の解明、治療薬の開発のため好中球性気道炎症を迅速に評価する方法が求められている。 今回、我々は、気道内好中球増多を特徴とするマウス感染性呼吸器疾患モデルを用いてFCM法の適用可能性を検討した。 一連のTLR リガンド(TLR1/2 ligand, lipoteichoic acid; TLR2/6 ligand, pam3CSK4; TLR4 ligand, lipopolysaccharide)を気管内投与しBALを行った。各々のTLRリガンドは、用量依存的に好中球性気道炎症を生じた。前回同様、サイトスピン法と動物用多項目自動血球分析装置XT-2000iV(シスメックス社製)を用いたFCM法による細胞分類データを比較した。両者に良好な相関を認めた。特に好中球数においては、r=0.941と高い相関が認められた。 FCM法は、好酸球性気道炎症モデルと同様、TLRリガンドにより誘導した好中球性気道炎症の細胞成分の迅速評価に有用であった。
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© 2009 日本毒性学会
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