日本トキシコロジー学会学術年会
第38回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-50
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一般演題 ポスター
ICH M3(R2)ガイダンスの非臨床試験の実施時期・計画に及ぼす影響に関するアンケート調査(製薬協、中間報告)
*木下 潔小松 真一三浦 慎一矢來 幸弘池田 孝則渡部 一人山本 恵司佐神 文郎
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抄録

【目的】ICH M3(R2)ガイダンス[以降M3(R2)と略]では、既記載項目の見直し並びに新規項目の追加による大幅な改訂が行われ、国内通知(2010年2月)から約1年が経過した。今回、これらの改訂が各社の非臨床試験の実施時期および計画にどのような影響を及ぼしているか、また改訂の目的・主旨が十分に達成されているか検討するため、アンケート調査を実施した。 【方法】M3(R2)の項目毎に、各試験の実施タイミング及び試験デザイン等の変更の有無並びに変更(予定)の具体的な内容等を質問したアンケート調査書を、製薬協基礎研究部会加盟62社宛に送付し、回答のあった43社(内資系企業:31、外資系企業:12)の結果を集計した(調査実施期間:2011年1月5日~21日)。 【結果および考察】既記載項目のうち急性毒性試験では企業全体の60%以上が、また発生毒性試験では内資系企業の60%以上が「実施タイミングまたは試験デザインを変更する」と回答し、大きな影響が認められた。これは、動物実験の3Rの精神に配慮するとともに試験実施時期をバックロードして、より効率的な開発を目指す表れと考えられる。また、多くの見直し項目について「通知以前よりM3(R2)に準じて対応」と回答した外資系企業が多く、内資系企業との間に対応のタイムラグのあることも伺えた。新規項目のうち薬物乱用に関する非臨床試験ではM3(R2)に従い、第1選択動物をげっ歯類に変更するとの意見が多く、光安全性試験ではS10ガイダンスの進捗を見守る姿勢が伺えた。また、小児適用や配合剤のための非臨床試験各項目についてはcase-by-caseで対応するとした回答が多く、今後のさらなる規制調和の議論が必要と考えられる。早期探索的臨床試験については、わが国ではまだ実施例が少ないが、検討予定または興味があるとした企業が過半数を占めた。

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© 2011 日本毒性学会
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