日本トキシコロジー学会学術年会
第38回日本トキシコロジー学会学術年会
セッションID: P-91
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一般演題 ポスター
マイクロミニピッグの損傷皮膚モデルの作製―ラット及びウサギとの比較―
*西藤 俊輔髙橋 義博本門 忠文笹木 祐司三浦 瞳大坪 靖治一井 隆亨宇都宮 慎治山下 祐介和泉 博之大島 洋次郎川口 博明三好 宣彰谷本 昭英洲加本 孝幸
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抄録
【目的】近年,動物愛護の観点から動物実験としてのミニブタの需要が高まりつつある.作出されたばかりの世界最小・超小型ミニブタであるマイクロミニピッグ(MMP: MicrominipigTM)は,性成熟体重が7 kg以下であり,ハンドリングも行いやすい特徴がある.また,薬物の経皮吸収性は,比較的ヒトに近いとされており,皮膚領域の分野でミニブタの利用が注目されている.一方,経皮投与による全身暴露の評価には健常皮膚に加えて,損傷皮膚適用時について検討を行う場合がある.しかしながら,MMPにおける損傷皮膚に関する報告は少ない.そこで,MMP,ラット及びウサギの損傷皮膚を作製し,経表皮水分損失量(Transepidermal water loss:TEWL)の変化及び病理組織を比較した.
【方法】雌雄MMP,雌雄SDラット及び雄性JWウサギを用いた.皮膚損傷処置前に電気バリカンで毛刈りし,セロハンテープの着脱を繰り返すことにより損傷皮膚を作製した(テープストリッピング法).ウサギ及びラットで,各動物にテープストリッピング5,10及び15回,MMPでテープストリッピング5,10,15及び30回行い,損傷皮膚を作製した.TEWLは皮膚損傷処置前及び皮膚損傷処置後について,測定装置(Cutometer MPA580)を用いて測定した.TEWL測定後,皮膚を採取し,病理組織学的検査を行った.
【結果】MMPにおけるTEWLは,セロハンテープの着脱回数に依存して上昇した.また,同様な傾向がラット及びウサギにおいても確認された.また,皮膚損傷時のTEWLは,MMPより雌性ラット及びウサギでより高い値であった.また,MMPの病理組織学的検査ではテープストリッピング15あるいは30回処置した部位で角質層の減少がみられた.
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© 2011 日本毒性学会
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