抄録
in vitro小核試験は遺伝毒性の検出に重要な試験法であり、染色体異常試験の代替法として使用されている。小核試験は、染色体異常試験よりも簡単に遺伝毒性を検出することができることから、ハイスループットスクリーニングアッセイとして利用されてきている。そこで、我々は共焦点イメージングプレートリーダーIN Cell Analyzer1000を使って小核試験のバリデーション試験を実施した。本研究では、構造異常および数的異常能を有している30化合物の評価を、96マイクロウェルプレートに播種したチャイニーズハムスター肺由来細胞(CHL細胞)を用いて実施した。マイクロプレートは、ヘキスト33342およびCellMask Redの2種類の蛍光色素で染色し、蛍光イメージから自動的に小核を持った細胞を計数した。IN Cell Analyzer1000を用いた30化合物の小核試験の結果は、通常の小核試験や染色体異常試験の文献から引用したデータとほとんど一致していた。従って、このハイスループット小核試験は、化合物開発の初期ステージにおいて高い効率性および精度をもったスクリーニングアッセイとして有用である。