日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-244
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異なる床敷材料がマウスの行動発達に及ぼす影響
*田中 豊人小縣 昭夫猪又 明子中江 大
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抄録
【目的】東京都健康安全研究センターでは新庁舎建設に伴い、本年度より新しい動物舎で動物実験を開始することになった。その際、実験動物飼育用床敷をこれまで用いてきた木製フレークからパルプ製チップへ変更を検討していることから、2種類の床敷を用いて行動発達試験を行い、マウスの次世代の行動発達に及ぼす床敷材料の影響の有無について検討する。
【方法】飼育ケージの床敷に木製フレークまたはパルプ製チップを用いてマウスの2世代行動発達試験を行い、次世代マウスの行動発達に及ぼす影響について検討した。
【結果】F1世代の授乳期における仔マウスの行動発達では雌仔マウスの14日齢の嗅覚性試行反応の所要時間は木製フレーク群の方が長かった。F1世代の探査行動では幼若雄マウスの排糞数はパルプ製チップ群の方が多かった。また、成体雄マウスの平行移動回数は木製フレーク群の方が多かった。水迷路試験では成体雄マウスの所要時間は木製フレーク群の方が長かった。自発行動は成体雄マウスではパルプ製チップ群の方が行動量が多かったが、成体雌マウスでは床敷材料間で差はみられなかった。
【まとめ】本実験において、次世代マウスの授乳期の行動発達及び探査行動や自発行動のいくつかの項目で2つの床敷材料間で差が観察された。このことから、床敷材料がマウスの行動発達に対して異なる影響を及ぼすことと、その影響には性差があることが示唆された。
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© 2014 日本毒性学会
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