日本毒性学会学術年会
第41回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-36
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優秀研究発表 ポスター
胃がん細胞と間葉系幹細胞においてRGS1の遺伝子発現変動が観察された
*田邊 思帆里青柳 一彦横崎 宏佐々木 博己
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抄録
幹細胞を始めとする細胞の性質は遺伝子制御により変化することが知られている。本研究においては、幹細胞やがん細胞の性質変化の際に制御される遺伝子を同定するため、間葉系幹細胞と間葉系の性質を有するdiffuse型胃がん細胞において発現が変化する幹細胞関連遺伝子及び上皮間葉転換(Epithelial-mesenchymal transition)関連遺伝子等について検討することを目的とした。間葉系幹細胞と胃がん細胞の遺伝子発現についてマイクロアレイを用いて解析した。幹細胞、がん、EMTに関連する遺伝子をGene Ontology情報及び文献等の情報を用いて選択し、遺伝子パネルを作成して解析した。NCSSソフトウェアを用いてクラスター解析を実施したところ、50倍以上の発現変動の観察された遺伝子群にRGS1 (regulator of G-protein signaling 1)が含まれていた。RGS1はがんに関与することが報告されている分子であり、その遺伝子変異や発現変化ががん細胞の治療薬反応性に関与していることも示唆されている。本研究により、RGS1ががん細胞の性質を示す遺伝子である可能性が示された。RGS1のがん治療における役割については今後さらなる検討が望まれる。
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© 2014 日本毒性学会
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