日本毒性学会学術年会
第45回日本毒性学会学術年会
セッションID: P-170
会議情報

一般演題 ポスター
マウス正常上皮オルガノイドを用いた化学発がん過程の初期変化検出
*成瀬 美衣落合 雅子筆宝 義隆今井 俊夫
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

 我々はこれまでに、正常上皮から幹細胞を含む種々の分化段階の細胞を長期的に培養可能にする三次元培養法を用い、in vitro で各種臓器を簡略モデル化したオルガノイドに対しin vitroで化学物質を暴露し、ヌードマウスへの皮下接種後の病理組織学的腫瘍性病変をエンドポイントとした発がん性試験代替法を開発してきた。この方法を用いることで、従来in vivoで化学物質の長期間投与により施行されてきた発がん性試験法の短期化や、化学発がんの作用メカニズムに関する洞察を簡便に得ることなどが可能になることが期待される。

 そこで、本試験法を用いて、化学発がん過程の初期変化検出を目的とし、対照、benzo[a]pyrene (B[a]P)、2-amino-1-methyl-6-phenylimidazo[4,5-b]pyridine(PhIP)について継代毎に3回短期処置を行ったオルガノイドに関してwhole exome sequencing による解析を行なった。その結果、化学物質別に、初期変化によると見られる変異を抽出することができ、オルガノイド系を用いて、化学発がんの初期メカニズムを知る足がかりを得られる可能性を見いだした。

著者関連情報
© 2018 日本毒性学会
前の記事 次の記事
feedback
Top