日本毒性学会学術年会
第47回日本毒性学会学術年会
セッションID: O-18
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口演
AIを用いた変異原性予測システムの開発
*山本 美佳佐藤 剛大谷 尚子藤 秀義
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抄録

In silico変異原性予測ソフトウェアは構造と関連のある変異原性リスクを同定することによりAmes試験の代替として変異原性を予測することが可能である。ただし,我々の社内化合物に対するその予測精度はAmes試験結果と比較してかなり劣るものであった。既存のin silico systemに登録されている化合物と社内化合物とのchemical spaceの違いが主な原因であると思われる。

そこで我々は,AIに化学構造の画像データとAmes試験結果を学習させて変異原性を予測するAI予測システムの開発を進めている。このシステムのトレーニングセットデータには公共のデータベースだけでなく社内化合物データを加えることにより,既存のin silico予測と比較して社内化合物の予測精度を向上させることができた。このAI予測システムの導入により,初期変異原性スクリーニング試験の置き換えが可能になり,Ames試験に必要な化合物の合成及び試験にかかる工数が削減できることが期待される。また,このAI予測システムは予測根拠の構造を可視化してくれるため,既存のin silicoで予測が難しかった化合物の忌避構造の気づきが可能となり,ICH M7対応におけるExpert Reviewや判断に悩むAmes試験結果のレビュー時の参考情報としても利用できる。このAI変異原性予測システムについて紹介する。

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© 2020 日本毒性学会
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