日本毒性学会学術年会
第47回日本毒性学会学術年会
セッションID: S22-7
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シンポジウム22
MEASURE:投与細胞の体内動態評価のための非臨床試験
*神山 佳輝
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抄録

【目的】

細胞加工製品の生体内分布評価試験は、主に細胞の体内動態として細胞の生存期間、生着の有無、分布部位を明らかにするために実施される。さらに標的組織への分布による有効性および安全性を予測する上でも重要である。しかしながら、投与後の細胞の体内分布を評価するためのバリデートされた方法は確立されていないのが現状である。そこで、定量的PCR(qPCR)法による細胞の体内動態試験法の標準化を目指し、qPCR法によるマウス組織中のヒトDNA濃度定量性に関する検証、及びヒト由来細胞をマウスに投与した時に体内分布評価の多施設検証を実施した。

【方法】

複数施設においてマウス肝臓組織に一定数のヒト由来細胞を添加した品質確認試料を用いて分析単位内の真度精度および分析単位間の真度精度を比較評価してqPCR測定法を最適化した。次いで、免疫不全マウスにヒト間葉系幹細胞を静脈内投与して1、4及び24時間後の各臓器中の細胞数を定量した。

【結果および考察】

検量線用の標準試料としてヒト由来細胞、ヒト由来細胞由来のゲノムDNA及び合成核酸を用いて定量性を比較した結果、いずれの評価施設においても臓器からのDNA抽出過程を考慮した際には、細胞検量線を用いたqPCR法が良好な結果を示した。ヒト間葉系幹細胞を静脈内投与したマウスでは、いずれの施設においても同様の組織分布を示し、検証した臓器のうち肺が最も高い細胞濃度を示した。

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