主催: 日本毒性学会
会議名: 第47回日本毒性学会学術年会
開催日: 2020 -
我々の生活の必需品となっているスマートフォンの高機能化を支える技術には、多くのマイクロマシンが搭載されている。中でもMEMSと呼ばれるLSI集積回路技術を発展させた微細加工技術で作られるセンサやアクチュエータは、様々な情報機器の発展に欠かせないものになっている。もともとは、集積回路基板材料であるSiを微細加工する技術から発展したMEMSであるが、微細な溝を流路に使ったり、アクチュエータを弁やポンプに使ったりする流体MEMSへの応用が早くから報告されており、生化学分野への応用も進んできた。バイオMEMSの分野は、μTASやLOCと呼ばれるようになり、MEMSとライフサイエンスの連携が活発に進んできた。毒性評価においても重要な生化学分析チップの分野では、チップ上で培養した細胞や細胞組織を分析する技術も進んでいる。さらには、チップ上で臓器、生体を実現しようとするOoC、BoCと呼ばれる研究も盛んである。本講演では、我々のマイクロマシン研究の中から、血液や筋組織の生体標本前処理・分析技術やマイクロマシン上に細胞を培養した開閉可能な人工腸管マイクロマシン、培養細胞組織操作用マイクロフィンガーなどの事例の紹介を予定している。