日本毒性学会学術年会
第50回日本毒性学会学術年会
セッションID: S26-2
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シンポジウム26: フッ素の基礎化学と医薬品開発における現状と展望及び多フッ素化有機化合物の毒性学
メディシナルケミストの視点でのフッ素導入による効果(動態及び安全性)
*青木 一真
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抄録

医薬品の約20%にはフッ素原子が含まれており、フッ素原子は医薬品開発に欠かせない原子となっています。これは、フッ素原子が水素原子とほぼ同じ大きさであるため、水素原子の生物学的等価体として機能すると同時に、高い電気陰性度、大きな結合エネルギー、高い脂溶性など独特な特徴を有し、フッ素原子の導入による生体との相互作用の増強、酸性度増大、塩基性度低減、代謝安定性の向上、膜透過性の向上などを通じ医薬品として重要な生物活性、動態、物性、毒性を制御することが可能となるためです。今回の発表では、我々メディシナルケミストがフッ素原子の特徴をどの様に活用し医薬品としての完成を高めているか実例を挙げて紹介したいと思います。また、フッ素を導入することで思わぬ作用が生じるケースについても合わせてご紹介させて頂きます。

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