富山救急医療学会
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Print ISSN : 2185-4424
第39回学術集会抄録集
我が国におけるICLSの歴史と北陸における展開
奥寺 敬坂元 美重若杉 雅浩山本 由加里橋本 真由美奈良 唯唯子伊井 みず穂
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キーワード: ICLS, 指導者育成
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2021 年 39 巻 1 号 p. 12-13

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抄録

 ICLSはImmediate Cardiac Life Supportの略であり日本救急医学会により開発された我が国固有の心肺蘇生教育体系である。ICLSコースにおける学習目標は、「突然の心停止に出会った時にどのように対処すべきか」、という端的なもので、基本概念は、1)心停止はどの医療機関のどの部署においても起こりうる、2)心停止が発生すれば蘇生を開始するまで猶予はなく、即座の(immediate) の対応が求められる、3)蘇生に適した医療者が集まるまでの最初の10分間の対応はあらゆる医療者が蘇生チームの一員として参加し、蘇生を行う必要がある、と要約できる。また医療安全の視点からも病院に所属する全ての職員が参加できることが求められる。
 日本救急医学会は、2000年のAHA (American Heart Association) のガイドライン2000の公表における心肺蘇生の標準化に呼応して、AHAのACLS (Advanced Cardiovascular Life Support) 2日間コース、ERC (European Resuscitation Council) のALS (Advanced Life Support) 1日コースを調査し内容を検討し、ICLSをデザインした。ここでは、2003年より日本救急医学会により全国展開を行ったICLSの経緯と北陸における展開について解説する。

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