豊田工業高等専門学校研究紀要
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仮想の住空間をウォークスルーした際の認知特性 : 男女学生と高年者の比較
藤澤 陽介大森 峰輝
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2002 年 35 巻 p. 93-98

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抄録

本研究では,性別,年齢差に着目し,仮想の住空間をウォークスルーした際の認知特性についての分析を試みた。今回の実験から得られた結果は,以下のようにまとめられる。1) 空間認知に関する精度は,探索時間(回数)に伴って正確さを増していった。しかし,高年者は男女学生よりも認知にかなりの困難を伴うことが示唆された。2) 女子学生及び高年者は居室面積を過少評価する傾向が示唆された。また,間違った情報が一旦イメージされてしまうとそれが修正されにくい傾向がみられた。3) 男女学生は探索方法がほぼ一貫しているのに対し,高年者は探索ごとにそれを変える傾向があることが示唆された。高年者は方向感覚のつかみづらさを感じるとともに,苦手意識(不慣れ)を有していることが推察できた。

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© 2002 豊田工業高等専門学校
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